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2022/01/08 08:48



ポレポレ。

これはスワヒリ語で、「のんびり、ゆっくり」といった意味です。

私は今から25年ほど前、タンザニアはダルエスサラームという町に住んでおりました。当時、タンザニアは東アフリカの優等生などと呼ばれていましたが、人々はなかなかにしたたかで、あちこちに危険と貧しさが貼り付いていました。

住めば都とはいえ、気を抜くと痛い目に遭う世界。大酒飲みだった私ですが、在住中は一度たりとも〝酔っ払う〟ということもなく、どんなときも意識の片隅は常に緊張していたと思います。

日常生活は市場へ出かけ、交渉の末に食材を確保し、ご飯を作ることの繰り返しで過ぎていきました。雨季に道路が寸断されると高地からの野菜が届かず、市場には何も並ばないことを学んだのは、この町。

鶏の解体で1羽につきササミが2本しか取れないことや、タコをすりこぎで叩いて叩いて柔らかくすることを覚えたのも、この町。

ジャックフルーツのタネを蒸して「栗ご飯もどき」を作ったのも、バナナをジャガイモ代わりに「肉じゃが風煮物」を作ったのも、この町でした。

大きな不自由はありませんでしたが選択肢の少ない食生活で、日本では実感しづらい「食料意識」が芽生えた貴重な体験でした。




先日、今でもタンザニアと交流のある友人から「モロゴロで作られたバニラビーンズ」なるものが送られてきました。それは、かつて友人の家で庭師として働いていた人物が、今では農園を経営し、有機栽培で育てたバニラビーンズをていねいに発酵・乾燥させた商品なのだそうです。

バニラビーンズと言えば、デザートを彩る贅沢品。細くて美しいサヤからは、華やかな甘い香りがふんわりと漂います。私はその繊細さに感動すると同時に、食べることにあくせくしていた当時を懐かしく思い出し、タンザニアの食文化も経済も大きく変化したことを実感しました。(さ)


さて、この時季の手のマルシェおすすめ商品は「完熟まるごと梅シロップ」です!
大分県日田市大山町の完熟梅を50度洗いし、なり口を取って、別府鉄輪温泉の天然蒸気で蒸した梅は、爽やかな甘い香りを振りまきながらプニプニに!それを粗い目のザルで濾して、少量ずつていねいに手作りします。とろりとした果肉が贅沢な、甘酸っぱいジャムのようなシロップ。夏の暑さで疲れた時こそ、冷たい炭酸水で割って飲むと、体がスーシャキッ!と生き返りますよ(^^)