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2022/01/10 09:57


緑地の長い階段を登りきり
切れた息を整えながら
林縁に沿う道を歩きます
ふと
誰かに見られている感覚がありました
でも
生き物の姿は見まわす限りありません
ただ
緑地を区切る錆びた鉄柵が目にとまり
枯葉の屑のようなものが
そこに乗っかっているのが気にかかります



ひょっとして
まさか
半信半疑のまま顔を寄せると
そいつは私の動きを追うように体の一部を動かし
(それは大きな複眼でした)
にらめっこになりました



生き物だったのです
しかもよく見知った顔と眼
一方で見たことのない小さい体
ヒメカマキリというカマキリの一種でした



20ミリに満たないそれは
深まる秋の底で
「ここにいるよ」
と存在を主張していたのです