羊羹だより -小倉粒入り羊かん-
¥2,100
粒ぞろいの北海道産・小豆、四国の和三盆糖、信州産の寒天と、羊羹職人の眼鏡にかなった上質の素材を使い、豆の風味を引き出すのは、昔から地元で名水と呼ばれる湧き水と職人の手技。商品化するまでに2年の年月をかけ、どこまでも丁寧につくられる、みずみずしい小豆羊羹です。
●Yokan-dayori
Yokan is an original confection of Japan. Yokan-dayori has been made from Hokkaido azuki, Shikoku Wasanbon sugar, Shinshu kanten with locally famous spring water also by using for great skill. It’s a fresh azuki yokan carefully made and it took two years to commercialize. The flavor of azuki and refined sweetness spread in mouth. The texture of Ogura’s grains enhance taste of Yokan-dayori.
●内容量:460g
●サイズ:160×53×44mm
●原材料:砂糖、小豆、和三盆糖、寒天
●特定原材料(7品目)アレルゲン:なし
●賞味期限:未開封で製造日より120日
●保存方法:直射日光を避けて保存。開封後はお早めにお召し上がりください。
【配送および送料につきまして】
羊羹の購入数により送料が変わります。
●合計1~3本「ヤマト宅急便60」
●合計4~8本「ヤマト宅急便80」
購入手続きの際に上記をご指定ください。
【包装につきまして】
2本以上お買い上げで、1本ずつ別々の化粧箱入りでの発送をご希望の方は、備考欄にその旨を記入ください。
*Earliest delivery date is 2/19(Wed) (may require more days depending on delivery address).
*Tax included.
*Limit of 8 per order.
*Shipping fee is not included.More information
小豆の声に耳をすませ練り上げられる
清き湧水でやさしく固めた小豆羊羹

羊羹といえば創業何百年という老舗もあれば、羊羹が名物になっている地域も日本各地にたくさんあります。小さな頃から親しみのある菓子とはいえ、私にとって羊羹ってそんなにそそられるお菓子ではありませんでした。この羊羹に出会うまでは。
15年ほど前に何気なくいただいた「羊羹だより」。思わず羊羹を2度見しました。なんとみずみずしいこと。小豆の風味がふわっと広がり、甘さは上品。なかに入っている小倉の粒の食感が、これまた良い。改めて取り寄せてみました。桐箱のなかに味わいのある墨文字の和紙に包まれた風格ある姿。取り出してみると、包みの上からでも柔らかかさが伝わってきます。少し力が入ると形が崩れてしまうのではないかと思うほどです。しかもずっしりと重い。だからしっかりとした化粧箱に入れて大切に届けられるのでしょう。常温はもちろん、暑い季節には冷蔵庫で冷やし涼菓としても楽しめる羊羹です。(や)

「量産はできん、せんと(しないの)です」という
83歳・羊羹職人の仕事は、夜明けからはじまる

福岡県の中部に位置する飯塚市。龍が棲んでいたという伝説が残る竜王山の麓に「羊羹工房 渕上」はあります。まわりは田園地帯。羊羹職人の渕上賢治さんは、この地で生まれ育ち、代々米や野菜もつくっています。
昭和15年生まれの83歳。60歳までは地元の菓子メーカーで20年にわたり、餡づくりを任されていました。定年後は田畑を耕作しながら悠々自適に暮らそうと考えていたのです。ところが、渕上さんの腕を惜しむ方の強い後押しがあり「よし、やってみよう」と羊羹づくりに取り組みます。

▲「羊羹工房 渕上」は蔵や農機具小屋など、この地に根ざした暮らしが感じられる自宅の敷地にある
「やるからには他所にない羊羹をつくりたかった」という渕上さん。一般的に羊羹の糖度は70~73度。これを58~60度まで落として豆の風味を引き出します。これが繊細な味と甘さの秘密です。滑らかさと柔らかさにも注目し、羊羹を固める寒天も必要際最小限に抑えています。渕上さんには、もうひとつ強い味方がありました。
それは水です。この地域に昔から湧き出でる水は、どんな干ばつのときでも枯れることのない、まろやかな名水。試作すること小豆羊羹2年。手亡豆(てぼうまめ)の羊羹は3年の月日を要し、渕上さんの羊羹は完成したのです。
夜明け前。羊羹づくりは水汲みから始まります。水の神様にお参りし、柄杓で湧き水を汲みます。これだけでもかなりの力仕事です。使う豆は羊羹の種類よって小豆と手亡豆、白小豆の3種類。それぞれ個性の異なる豆は、その日の温度・湿度によって必要に応じたアク抜き、浸水、糖の配合と変わります。前日に豆の下準備を行い、次の日の夜明け前から羊羹の練り上げが始まります。
「この時間が一番集中できます。豆の風味は皮の内側にわずかにトロリとした部分があるとです。その旨味が味わう人に伝わるように炊き上げんといかん」。銅鍋に豆と和三盆糖の漉餡、水が加わり、点火。70歳までは、大きな木べらで約1時間かけて羊羹を練り上げていたそうですが、今は体力に合わせ練り上げは機械が担います。
とはいえ、微妙な火の調整、羊羹のとろみや気泡、香り、音に全神経を傾け、銅鍋から離れることはありません。練り上がりの羊羹の温度は106度に達します。それをすぐさま1本ずつ手作業で充填し、急速冷凍庫へ。ここでようやく渕上さんの表情が穏やかになります。
この日つくった羊羹は35本。最大で50本しかつくりません。渕上さんが納得のいく味に仕上げるには大量生産はできないのです。できあがった羊羹は1本1本和紙で包み、さらにラベルを巻き、渕上さんの手から離れるまで、まるで我が子のようにやさしく丁寧に接します。急がず、じっくりと豆に向き合う羊羹づくりと羊羹の深く甘い味には、渕上さんが歩んできた人生が映されている。そんな気がしました。(や)
